オイラーのトーシェント関数,メビウスの関数,メモ書き

オイラーのトーシェント関数や,メビウスの関数について,今日までに勉強したことの一部のメモ書きです.

オイラーのトーシェント関数

オイラーのトーシェント関数
オイラーのトーシェント関数 \varphi(n)は正の整数から正の整数への関数.正の整数 n に関して,1から n のうち,n と互いに素である数の個数を返す.

(例)
\varphi(1) = 1
\varphi(2) = 1
\varphi(3) = 2
\varphi(4) = 2
\varphi(5) = 4
\varphi(6) = 2

素数 n に関しては \varphi(n) = n - 1 となる.

オイラーのトーシェント関数に関する定理

互いに素な n,m に対して, \varphi(mn) = \varphi(m) \varphi(n) が成り立つ.

定理.
素数 p に関して,
\begin{aligned} \varphi(p^k) = p^k \left(1 - \frac{1}{p} \right) \end{aligned}

証明.
\begin{aligned} \varphi(p^k) &= p^k - p^{k-1} \\ &= p^k \left(1 - \frac{1}{p} \right) \end{aligned}

メビウスの関数

メビウスの関数(Möbius function)1Möbiusでメビウスと読むことがひとつの学びだった.とは,0を除く自然数 n に対して定義される関数 \mu (n) であり,素数の平方数で割り切れると \mu (n) = 0 となり,それ以外の場合は,素因数の数が k のとき, \mu (n) = (-1)^{k} となる関数である.

メビウスの関数(Möbius function)
メビウスの関数 \mu \mu : 0を除く自然数 \to {-1, 0, 1}
0を除く自然数 n が素数の平方数で割り切れる場合
\mu (n) = 0
それ以外の場合, n の相違なる素因数の総数を k とすると,
\mu (n) = (-1)^{k}
ただし, \mu (1) = 1 とする.

(例)
\mu (2) = -1
\mu (3) = -1
\mu (4) = 0
\mu (5) = -1
\mu (6) = 1

メビウスの関数に関する定理

互いに素なm, n に関して\mu (m) \mu (n) = \mu (mn)

m, n が互いに素でなければ,\mu (m) \mu (n) = 0
共通する素因数を持つ→その素数の平方数で割りきれるため.

  

定理.
n \leq 2 の自然数に関して \sum_{d | n} \mu (d) = 0
つまり,n の全ての正の約数 d に関して,\mu (d) を足し合わせると0になる.

証明.
n の素因数をp_1 , p_2, \cdots p_kとする.同じ素因数を2つ以上掛けた約数に関しては,\mu (d) = 0 となるため,考える必要がない.よって,p_1 , p_2, \cdots p_kの素因数の中から1〜k種類の素因数を1つずつ掛けてできる約数のみを考えれば良いので,

\sum_{d | n} \mu (d) \\  = 1 - {}_k C_1 + {}_k C_2 + \cdots \cdots + (-1)^k {}_k C_k \\  = \sum_{r=0}^{k} (-1)^r {}_k C_r \\  = (1-1)^k \\  =0

二項定理を使って証明している.

   

    

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