本記事では,チェバの定理とメネラウスの定理の証明をします.
チェバの定理
チェバの定理.
三角形△ABCの内部に点Tをとる.直線ATと辺BCの交点をP,直線BTと辺CAの交点をQ,直線CTと辺ABの交点をRとすると,以下の等式が成り立つ.
RBAR⋅PCBP⋅QACQ=1
証明.
△ABTの面積をS1,△BCTの面積をS2,△CATの面積をS3とする.
△ABTの面積S1と△CATの面積S3の面積比について考えると,底辺を共通する辺であるATとすると,高さはそれぞれ頂点BからATへの垂線と高さは頂点CからATへの垂線となる.それぞれの垂線の足をD,Eとすると,
△BDP∽△CEPより,
BD:CE=BP:PC
したがって,
S3S1=PCBP
となる.
同様の方法で,
S2S3=RBAR
S1S2=QACQ
が求められる.
したがって,
RBAR⋅PCBP⋅QACQ=S3S1⋅S2S3⋅S1S2=1
チェバの定理の逆
チェバの定理の逆を証明したいと思います.
チェバの定理の逆.
三角形△ABCにおいて,辺BC上に点Pがあり,辺CA上に点Qがあり,辺AB上に点Rがあるとする.以下の等式
RBAR⋅PCBP⋅QACQ=1
が成り立つならば,直線AP,BQ,CRは一点で交わる.
証明.
2直線AP,BQの交点をTとする.直線CTとABの交点をR′とすると,チェバの定理より,
R′BAR′⋅PCBP⋅QACQ=1
が成り立つ.
条件の等式RBAR⋅PCBP⋅QACQ=1より,
RBAR=R′BAR′
R=R′となるため,3直線は1点で交わる.
演習.
チェバの定理の逆を用いて,三角形の3本の中線が1点で交わることを証明せよ.
三角形の3本の中線の交点とは重心のことです.詳しくはこちらのページをご覧ください.
メネラウスの定理
メネラウスの定理.
三角形△ABCに対して直線を一本引く.直線と辺BC,辺CA,辺AB,もしくはその延長との交点を,点P,Q,Rとすると,以下の等式が成り立つ.
RBAR⋅PCBP⋅QACQ=1
証明.
以下の図のように,点Aを通り,RPと平行な直線を引く.その直線と,BPの延長の交点をDとすると,
RBAR=PBPD
QACQ=PDCP
となるので,
RBAR⋅PCBP⋅QACQ=PBPD⋅PCBP⋅PDCP=1
メネラウスの定理の逆
メネラウスの定理の逆.
△ABCの辺BCの延長線上に点P,辺CA上に点Q,辺AB上に点Rがあるとき,以下の等式,
RBAR⋅PCBP⋅QACQ=1
が成り立つならば,点P,Q,Rは同一直線上にある.
証明.
点P,Qを通る直線と辺点ABとの交点を点R′とすると,
R′BAR′⋅PCBP⋅QACQ=1
が成り立つ.
また,条件より,
RBAR⋅PCBP⋅QACQ=1
が成り立つため,
RBAR=R′BAR′
R=R′となり,3点P,Q,Rは同一直線上の点となる.
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