展開公式を図示する

展開公式(乗法公式)のひとつに(a+b)^2=a^2 + 2ab + b^2があります.この公式を視覚的に分かりやすくしたものとして,以下のような図が有名です.

一辺(a+b)の正方形の面積がa^2 + 2ab + b^2と表せることが分かります.
このような図は,厳密な証明などには使えませんが,展開公式の理解の手助けになることは確かです.

この記事では,他の展開公式の図も描いてみたいと思います.

(a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca

(a+b)^2=a^2 + 2ab + b^2と同じ要領で,(a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2caを図示してみましょう.

なかなか分かりやすい図ですが,少しごちゃごちゃしてきました.
文字の種類を増やすのは止めにしましょう.

(a+b)(a-b)=a^2-b^2

次に,(a+b)(a-b)=a^2-b^2の図を描いてみます.

少し動きが出てきましたが,これも分かりやすいですね.

(a+b)^3=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3

次は3次の展開公式を図示してみます.
(a+b)^3=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3

なるほど,これを理解しやすいと感じるかは,立体を頭の中で動かして,裏側に隠れたb^3を見る能力があるかによりそうです.3Dモデルを作って,くるくる回してみた方が万人受けするかもしれません.

(a-b)(a^2+ab+b^2)=a^3-b^3

最後に,(a-b)(a^2+ab+b^2)=a^3-b^3の図を描いてみます.

動きの理解に少し時間がかかるかもしれません.
それと,だんだんと図が理解の助けにならなくなってきました.

これ以上複雑な公式を,分かりやすい図として描くのは難しいかもしれません.

遊びの提案(演習問題)

  1. (a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)=a^3+b^3+c^3-3abcの図を描いてみましょう(できるだけ理解の手助けとなるようなものを).
  2. この記事に出てこなかった展開公式の図も描いてみましょう.
  3. 記事の冒頭に「(図は)厳密な証明には使えませんが」とあります.このような図が証明に使えない理由を考えてみましょう.

1番ができた人は教えてください.ぜひ,見たいです.

(追記)2022年3月24日

3次の展開公式のアニメーションを作りました!

 

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