[日記]四分位数の定義について

この記事では,四分位数の定義に関するお話をします.

 

まず初めに,全ての中高生が知っておくべきことがあります.

四分位数には色々な定義があります.
そして,私の知る限りの範囲では,高校の教科書(新課程では中学の教科書)で採用されている四分位数は,実用的なツール(Excel,R,Pythonのライブラリ)で採用されている,いずれの四分位数の定義とも異なります.1後日調べたところ「TI-83」という電卓で採用されているようです.

「整式」や「多項式の定義」と同じく「四分位数の定義」も高校を卒業したら忘れてしまいましょう2おおよそのざっくりした雰囲気だけ掴んでいれば問題ありません.「AI」や「クラウド」,「IoT」などのバズワードと同じで,なんとなく知っていないと困る言葉ですが,高校の教科書の定義を覚えてもメリットのない言葉です.

ではなぜ教科書がこのような定義を採用したのでしょうか.
数研の『教科書に関するQ&A』のQ2にその理由が書かれています.

 教科書の編集が始まる前に,四分位数の定義につ いては教科書会社から文部科学省に質問をしていました。それについて文部科学省が提示した定義は次 のようなものでした。
「データを小さい方から大きい方まで並べてメジアンをとる。そのメジアンを落として,メジアンより小さいデータのまたメジアンをとってそれを第一四分位数とする。メジアンより大きいデータのまたメジアンをとってそれを第三四分位数とする。」
このため,各社の教科書は一様にこの回答に沿った定義となっています (もちろん教科書ごとに表現の違いはあります)。

 文部科学省がこの定義を提示した理由に「これが一番簡単な定義である」ということがあったようです。なお,学習指導要領や学習指導要領解説には,四分位数の詳しい定義は載っていません。教科書の定義はExcelの定義とも違いますが,データの数が多いときには,その後の考察にはほとんど影響がありません。データの分析では,代表値などの値を求めた「その後の考察が大事」ですので,四分位数 の求め方が複数あることについては授業では軽く触れる程度でよいのではないかと思います。

教科書に関するQ&A』数研 Ans. 2から引用(2022年3月18日に閲覧)

 

どうやら文部科学省の指示のようです.

「その後の考察が大事」というのは一理ありますが,ツッコミどころもたくさんあります.
「データの数が多いときには」とありますが,中学高校で扱うデータの個数なんてたかが知れています.
さらにコンピュータの計算方法と異なるものを教えたり,4以外の分位数のことを全く考えていなかったりと,今後の学習におけるギャップが生じやすいように感じます3とんでもない量の愚痴を書いてしまったので,それは削除してここで終了

解説記事を書く予定でしたが,愚痴だらけになりそうなので,予定を変更して日記として投稿します.

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