「倫理」にも登場する情報用語

本記事では「倫理」の科目にも出てくる情報の用語について解説します.

情報社会

情報の価値が飛躍的に増大することを情報化といい,情報が活動における重要な要素となった社会のことを情報社会といいます.

コンピュータの発明やマスメディア(マス=メディア)の発達により情報化が進みました.マスメディアには雑誌や新聞,テレビなどが含まれます.マスメディアによる情報発信の特徴には,情報の送り手と受け手が固定化していること,受け手が大人数であることが挙げられます.
多くの人が情報を得られる一方で,情報に対して受け身な態度になるという弊害もあります.

さらに情報化の進んだ社会のことを高度情報化社会といい,先進国は20世紀後半にはこの段階に入ったといわれています.また,21世紀前半からは新しい情報社会(Society5.0)と呼ばれています.

さて次の節では,情報化の発展に欠かせない通信ネットワークについて解説します.

インターネット

通信ネットワークの発達により情報化は飛躍的に進みました.
インターネットは世界中のコンピュータを結び,情報収集やコミュニケーションの在り方を変化させました.

通信ネットワークの発達により,マスメディアのあり方や,コミュニケーションのあり方が変化したことをICT革命(情報通信技術革命,ICT : Information and Communications Technology)といいます.

現在では匿名掲示板やSNSなどの登場により,双方向のコミュニケーションが盛んになっています.

ネットワークが社会のあらゆるところにあり,その恩恵を受けられる社会をユビキタス社会といいます.最近では,あらゆるものをインターネットと繋ぐIoTという言葉がありますが,ユビキタスとIoTの違いは何でしょうか1もうひとつ似たような言葉があったような気がします?この辺のバズワードは正確には理解できません.

さて情報社会にはさまざまな恩恵がありますが,良くない点もあります.
次の節では情報倫理について解説します.

情報倫理

さて情報化が進んだ一方で,情報社会特有の良くない点も現れました.
インターネットの発達した高度な情報社会では,著作権などの他人の権利を侵害すること2SNSのアイコンやヘッダー画像に著作権侵害となる画像を使用していませんか?が容易にできます.
それに対し,不正アクセスや不正コピーなどの知的所有権の侵害や,他人のプライバシーの侵害などが起こらないように,守られるべき倫理のことを情報倫理といいます.
知的所有権は大別すると,特許権商標権などの産業財産権や,著作者人格権実演家人格権などの著作権などがあります.
また個人情報の保護に関する法律として,個人情報保護法があります.

さて,このような倫理的な問題,法律上の問題以外にも,情報社会における問題はあります.
そのひとつが情報能力の格差です.コンピュータの活用能力やインターネットを用いた情報収集能力の違いが,社会的な損益にも影響を及ぼしています.
それに関連して,情報を適切に取捨選択できる能力や情報を適切に扱える能力のことを情報リテラシーといいます.
また学習指導要領外のお話になりますが,高度な自動化によって利用者が触れたい情報が優先的に表示されるフィルターバブルや,SNSなどで自分に似た考えの人だけが集まりコミュニケーションを行うエコーチェンバー現象により,価値観が大きく偏る,その価値観に異常な自信を持つといった問題が生じることがあります.

情報セキュリティ

倫理の教科書によっては「情報セキュリティ」について触れている教科書もあります.情報の発信者がわからない匿名性を悪用したサイバー犯罪についても記述がある教科書もあります.匿名性自体は悪いものではないんですけどね.

ちなみにサイバー犯罪は意外と身近な場所にも潜んでいます.興味のある方はこちらの記事も読んでいただけると幸いです.

参考文献

・『教科書ガイド 実教出版版 高校情報Ⅰ Python 高校情報Ⅰ JavaScript 最新情報Ⅰ』(2022) 文献出版.

・濱井修 監修 小寺聡 編『倫理用語集 第2版』(2019) 山川出版社

   

   

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