情報化の悪影響 〜容易に被害者にも加害者にもなる社会,及び依存症〜
現代社会では,個人は容易に情報を発信し,また他人の発信した情報を受け取ることができます.その過程で,現代社会特有の様々な問題が発生しています.
情報化が進み,多くの個人がデジタル端末を所有する現代社会では,人は簡単に加害者や被害者になりえます.また知らないうちに,スマホ依存症などの悪影響を被ることもあります.
この記事では,被害者や加害者にならないためにはどのようなことに気をつければよいか(情報モラル),また情報機器にはどのような悪影響があり,悪影響から逃れるためには何に気をつければ良いかを考えていきましょう.
情報モラル① 加害者にならないようにしよう!
SNSなどで加害者にならないために,特に気をつけるべきことをまとめました.他にも,どのようなことに気をつけるべきか考えてみましょう.
- 他人の権利を侵害しない
- 著作権などを侵害しないように心がける.
- 誹謗中傷をしない
- インターネット上のやりとりでは,相手の顔が見えないため,発言が過激になりがちです.発信内容を受け取るのは,生身の人間であることを忘れないようにしましょう.
- デマを流さない,デマを拡散しない.
- 根拠のない情報を断定したり,嘘の情報を流したりすることはやめましょう.
かつて西村博之(ひろゆき)さんが「うそはうそと見抜ける人でないと(匿名掲示板を使うのは)難しい」という言葉を残しました.当時であれば確かにそうなのですが,現代は多くの個人がインターネットにアクセスできる時代です.また,情報の受発信の舞台もSNSが主流になってきています.ひどい言葉でハッキリと言いますと,そのような場には「頭の悪い人」が大量にいるため,ちょっとしたイタズラのつもりの発言が,イタズラと受け取られずにデマとして扱われることもあります.自身の発言にはしっかりと責任を持ちましょう. - また,怪しい情報を拡散しないことも重要です.
- 根拠のない情報を断定したり,嘘の情報を流したりすることはやめましょう.
情報モラル② 被害者にならないようにしよう!
被害者にならないために気をつけるべきことを簡単にまとめました.他にもどのようなことに気をつけるべきか考えてみましょう.
- 炎上しないようにしよう
- 個人情報を特定されないようにしましょう.
- 個人情報を安易に書き込むことは危険です.
- 個人を特定されたくない場合は,個人情報を流さないことはもちろん,所属組織の施設や自宅の周辺で撮影した写真や動画をアップロードしないようにしましょう.
- 詐欺に引っかからないようにしよう.
- SNSで詐欺まがいのビジネスをする人はそれなりにいます.甘い言葉に乗せられないようにしましょう.楽にお金を稼ぎたい人や心が弱っている人など,心に隙がある人が食いつくような文言が特徴です.現実離れした文言には気をつけましょう.
- ワンクリック詐欺やフィッシングサイトにも気をつけましょう.そういったサイトへの導線にはSMS(ショートメッセージサービス)が用いられることがあります.詳しくは以下の記事をご参照ください.
依存症などの悪影響
情報化が個人に与える影響で最も深刻なものは,ネット依存症やスマホ依存症です.情報機器全般への依存症を指して,テクノ依存症と呼ばれることもあります.長時間の機器の使用による,目の疲れ,睡眠不足や集中力の低下といった影響が生じます.
反対に情報機器を扱うことへの自信の無さから,テクノ不安症になることもあります.
(学習指導要領外)携帯端末やタブレット端末の依存症
スマホやタブレットによる依存症について詳しく知りたい人には,以下の書籍をオススメします.
『スマホ脳』では,いかにスマホが脳に悪影響を与えているかを述べています.
このサイトを閲覧している人は,勉強をしている方が多いでしょうから,特に関係ある部分を要約します.スマホ依存症の人は,鞄の中にスマホを入れているだけで,脳のリソースがスマホに割かれ,強制的にマルチタスクとなり,知能が低下します.
暇があればスマホを触ってしまう癖がある人は,勉強時にはスマートフォンを,手の届かない場所で,かつ見えない場所に隔離しましょう.つまり勉強中は,スマートフォンを絶対に使えない場所に隔離してください.そうしなければ,強制的に脳のリソースがスマホに割かれます.
『僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた』では,スマートフォンやタブレットがいかに依存しやすいように作られているかが書かれています.依存しやすいシステムの作り方や,依存症を逆手に取った,良い行いに依存させる試みなどが書かれています.
この本の序盤で特筆すべき内容は,アメリカの大手IT企業の創業者や幹部は,自分の子供にスマートフォンやタブレット端末を持たせていないということです.パソコンを持たせることはあっても,スマホやタブレットを若いうちから持たせることはありません.学校の学習でどうしても必要な場合は,時間や用途を厳密に制限しています.iPadの良さを熱く語っていたスティーブ・ジョブズも,家庭にはiPadを持ち込んでいません.これは,スマホやタブレット端末が依存しやすいつくりになっていることを知っているからでしょう.
ゲームなども依存しやすいですが,最初期のゲームの依存性は楽しさの追求から派生したものでした.しかし現代のアプリケーション(ソフトウェア)は,おそらく狙って依存しやすい構造がつくられています.ソシャゲやSNSなどは依存性の塊です.
SNSの「いいね」の数を気にしたことがある人はいるでしょうか?気にしたことがある人は,依存症に片足を突っ込んでいます.
スマホやタブレットの悪影響から逃れる方法や,有効活用をする方法,依存性のあるアプリを作る方法を考えるときにピッタリな2冊なので,ぜひ読んでみてください.