この記事の目的
数の分類をする前準備として,数に対する感性が育っているか,数の知識があるかを確認する。
練習問題1-1.
出題意図:数の知識を確認する。数に対する感性がどれだけ育っているかの確認も兼ねている.
(1) 24 の正の約数を全て答えよ.
(2) 数直線とは何か,説明せよ.
(3) 以下の□に入る不等号は < , > のどちらか選択せよ.
(ア) -5 □ -2
(イ) \frac{4}{3} □ \frac{7}{6}
(4) \frac{100}{101} + \frac{92}{93} の数直線上でのおおよその場所を描きなさい.
(5)
(ア)以下の数直線上の \frac{1}{2} にあたる場所に点・を描きなさい.ただし, 0 と 1 の間の目盛りは等間隔で並んでいるものとする.
(イ)以下の数直線上の \frac{1}{2} にあたる場所に点・を描きなさい.ただし, 0 と 1 の間の目盛りは等間隔で並んでいるものとする.
練習問題1-1. の解答
即答できなかった問題がある場合,誤答した問題がある場合は,解説も読んで下さい.
(1) 24 の正の約数を全て答えよ.
24の正の約数は 1,2,3,4,6,8,12,24
(2) 数直線とは何か,説明せよ.
解答例:直線上の点と数を1対1で対応させたもので,数の順序関係と直線上の点の左右の位置関係が対応している直線のこと.
採点基準:以下の3つの要素は必要である.
1.直線であること.
2.直線上の点と数を対応させていること.
3.順序関係(数の大小)と左右の関係が対応していること.(直線の右側の点ほど対応する数が大きい,もしくは右ほど数が小さい,という関係が成り立っていること)
一般的な数直線では,数直線上の2点の距離が等しければ,対応する2つの数の差の絶対値も等しいため,そのことを書いても問題はありません.
(3) 以下の□に入る不等号は < , > のどちらか選択せよ.
(ア) -5 < -2
(イ) \frac{4}{3} > \frac{7}{6}
(4) \frac{100}{101} + \frac{92}{93} の数直線上でのおおよその場所を描きなさい.
赤い点のあたり.
(2の目盛りの左側,目盛りにとても近い位置であれば正答とします)
(5)
(ア)以下の数直線上の \frac{1}{2} にあたる場所に点・を描きなさい.ただし, 0 と 1 の間の目盛りは等間隔で並んでいるものとする.
(イ)以下の数直線上の \frac{1}{2} にあたる場所に点・を描きなさい.ただし, 0 と 1 の間の目盛りは等間隔で並んでいるものとする.
練習問題1-1. の解説
(1) 24 の正の約数を全て答えよ.
解説:
n の約数とは整数 n を割り切るれる整数のことです.
割り切れるとは,割り算で余りや小数点以下が出ないことです.
ここで 24 の正の約数を丁寧に確認していきましょう.正の約数と言っているので,確認する数は 1 から 24 までの整数となります.24 より大きい数は確認する必要がありません1 24 より大きい正の整数で割ると,商 0 余りが 24 となります.
24 \div 1 = 24
24 \div 2 = 12
24 \div 3 = 8
24 \div 4 = 6
24 \div 5 = 4.8
24 \div 6 = 4
24 \div 7 = 3.428571 \cdots
24 \div 8 = 3
24 \div 9 = 2.666 \cdots
24 \div 10 = 2.4
24 \div 11 = 2.1818 \cdots
24 \div 12 = 2
24 \div 13 = 1.846153 \cdots
24 \div 14 = 1.714285 \cdots
24 \div 15 = 1.6
24 \div 16 = 1.5
24 \div 17 = 1.4117647 \cdots
24 \div 18 = 1.33 \cdots
24 \div 19 = 1.2631 \cdots
24 \div 20 = 1.2
24 \div 21 = 1.142857 \cdots
24 \div 22 = 1.0909 \cdots
24 \div 23 = 1.04347826 \cdots
24 \div 24 = 1
割り切れているのは 1,2,3,4,6,8,12,24 なので,24の正の約数は 1,2,3,4,6,8,12,24 となります.
(2) 数直線とは何か,説明せよ.
採点基準:以下の3つの要素は必要である.
1.直線であること.
2.直線上の点と数を対応させていること.
3.順序関係(数の大小)と左右の関係が対応していること.(直線の右側の点ほど対応する数が大きい,もしくは右ほど数が小さい,という関係が成り立っていること)
採点基準3について具体例を挙げると,数直線上の 1 に対応する点より右側に 3 に対応する点があるとします.その場合,直線の右側に行くほど大きな数となっているため,5 に対応する点は 3 に対応する点よりも右に存在しなければなりません.
また,教科書などで出てくる一般的な数直線では,数直線上の2点の距離が等しければ,対応する2つの数の差の絶対値も等しいという性質があります.2つの数がどれくらい離れているかを直線上の点として感覚的に捉えられるのです.そのため数直線は,ただの図だと侮る勿れ2(あなどるなかれ)見くびってはならない,という意味.,数の感覚を養うのに一役買ってくれる便利な図なのです.続く練習問題(4)(5)では数直線を使って,数の感覚が最低限育っているかを確認しています.数直線は便利ですね〜!
(3) 以下の□に入る不等号は < , > のどちらか選択せよ.
解答:
(ア) -5 < -2
(イ) \frac{4}{3} > \frac{7}{6}
この問題を間違える原因は大きく分けて2つあるでしょう.
ひとつは,不等号 < , > の理解が不十分である場合.この場合,不等号の記号の意味をしっかりと確認しましょう.口が大きく開いているように見える側が大きい数です. < であれば,不等号の右側の数の方が大きいことを意味します. > の場合は反対に,左側の数の方が右側の数よりも大きいことを意味します.
間違える原因の2つ目は,数の大小が分かっていないこと.
(イ)を間違えた人は,2つの分数の分母をそろえてみましょう.
(ア)を間違えた人は,負の数の感覚がうまく構築できていないのかもしれません.数直線を描いて -5 と -2 の関係を確認してみましょう.
(4) \frac{100}{101} + \frac{92}{93} の数直線上でのおおよその場所を描きなさい.
解答例:
赤い点のあたり.(2の目盛りの左側,目盛りにとても近い位置であれば正答とします)
この問題では \frac{100}{101} + \frac{92}{93} を計算することを求めていません.
\frac{100}{101} と \frac{92}{93} が「どちらも1より少しだけ小さい数である」と瞬時に分かるだけの感覚が養われていることを求めています.正答した人であっても,計算しようとした人,計算した人,時間がかかった人は,もう少し数直線で遊ぶことをオススメします.この先の単元で,練習する機会を与えると思うので,ぜひ面倒臭がらず取り組んで下さい.
(5)
(ア)以下の数直線上の \frac{1}{2} にあたる場所に点・を描きなさい.ただし, 0 と 1 の間の目盛りは等間隔で並んでいるものとする.
解答例:
(イ)以下の数直線上の \frac{1}{2} にあたる場所に点・を描きなさい.ただし, 0 と 1 の間の目盛りは等間隔で並んでいるものとする.
解答例:
どちらも, \frac{1}{2} が分かっているかを問う問題です.
\frac{1}{2} = \frac{2}{4} = \frac{5}{10} と考えても構いませんし, 0と1の真ん中と考えても問題ありません.
ちなみに,目盛りに数字を付けると以下の通りです.
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